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市民の自覚を阻む障害

2011.11.04

住居の貧困は公害などと同じく社会的に生じている現象であり、住民参加による計画的土地利用や都市計画の一環として、また政府の援助による良質の公共住宅の大量建設や土地投機の禁止等の強力な公的政策によってしか解決できないものなのであるが、現象的には個別の家族にとっての問題として現われる。そして現在のような持ち家政策のもとでは、どんな家でも持ちさえすれば住宅事情への関心は急速にしぼんでしまう。あるいは、問題のあまりの深刻さにあきらめてしまい、社会保障のような要求運動へと結集しない。

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各種の居住者団体の運動も自分の利害にとどまりがちで住宅政策自体の転換運動へと大きく発展していくまでにはいたっていない。消費者団体もわかりやすい身近な要求には取り組むが、最も大切な消費財である住居への関心はまだこれからである。このような状況が、今日の正直な状態だと思う。第二次大戦前の富国強兵、殖産興業、戦後の経済重点政策のもとで、国民は住居に対する本質的な認識や改善の意欲をそぎ取られてしまった。いってみれば、自分の住む住まいの貧しさに気づかぬ哀れな奴隷状態にあるといってよいだろう。