これからの日本では、誰もが予剋できない大きな変化が起きうる。将来を見通すには、さまざまな局面で不透明な要素が多くある。個人にとっても、人生のリスクは計り知れないものになっている。そこで、住宅ローンを借りた人たちが、思いがけない事態に遭遇して返済に窮した際に、自宅さえ手放せば、それだけで済んでしまうという、ある種の「ノンリコースローン」制度を導入することを提案したい。ノンリコースローン(non-recourse debt)とは非遡及型融資のことである。返済の原資(ここでは、購入した住宅)とする財産(責任財産と呼ぶ)の範囲に限定をした貸し付けの方法である。この方法による場合には、借り手は、債務全額の返済責任を負わない。購入した住宅(責任財産)からのキャッシュフローのみを返済原資とし、その範囲を超えての返済義務を負わないもので、原則として保証人を必要としない。たとえば、住宅を購入するために、「ノンリコースローン」で融資を受けるとする。仮に借金が返せなくなったとしても、借り手は、住宅の分しか責任を負わない。つまり、その住宅が購入時よりも価格がかなり下がって、完済できなくても、それ以上の責任を問われないという融資の仕組みである。ここでは、不動産に適用する例を挙げたが、一般的には、ノンリコースローンは事業などに対する投資での活用が多い。
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